【図解付き】大型貨物・大型乗用の通行止め標識を見分けるポイント

大型貨物・大型車両通行止め

自社の車両のうち、どれが「大型車通行禁止」の対象になるか、すぐに答えられますか?

大型車の通行禁止は、ドライバーが標識を見て判断するだけでは防ぎきれません。対象車両の判定、補助標識による対象の拡大、通行許可の取得と管理まで、会社として仕組みを整えておく必要があります。

この記事では、大型車両を保有する企業の運行管理・安全担当者に向けて、次の4点を実務目線で解説します。

  • 自社車両が規制対象かどうかの判定方法
  • 特殊車両通行許可との違い
  • 通行禁止道路通行許可の申請実務
  • 違反を防ぐ社内管理体制の作り方

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目次

1. 大型車通行禁止の標識は3種類。対象車両は車検証で判定する

標識の意味

大型車の通行を禁止する規制標識は、道路交通法に基づき都道府県公安委員会が設置します。
中央に描かれた車両のシルエットで、規制の対象が変わります。

大型貨物自動車等通行止め
大型乗用自動車等通行止め
標識主な対象車両
大型貨物自動車等通行止め(トラックの絵)大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車
大型乗用自動車等通行止め(バスの絵)大型乗用自動車、特定中型乗用自動車
特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め
(トラックの絵+「積3t」などの補助標識)
表示された最大積載量以上の貨物自動車

自社車両が該当するかは、車検証の「車両総重量」「最大積載量」「乗車定員」で判定します。
どれか一つでも満たせば対象になります。

区分車両総重量最大積載量乗車定員
大型自動車11t以上6.5t以上30人以上
特定中型自動車8t以上11t未満5t以上6.5t未満11人以上30人未満

特定中型自動車は免許区分では「中型」ですが、通行禁止の標識では大型と同じ扱いになります。いわゆる「増トン車」は特に見落としやすいので注意が必要です。大型特殊自動車(ロードローラー、ホイールクレーンなど)は重量に関係なく大型貨物等の規制対象です。

出典:警視庁「大型貨物自動車等の通行禁止規制」、栃木県警「シンボル化した車両の種類を確認しよう!」

大型車両通行止めの標識一覧

2. 補助標識で、中型・準中型トラックも対象になる

本標識の下にある補助標識は、規制の対象や時間を変更します。企業の担当者が特に注意したいのは次の2つです。

  • 最大積載量の指定(「積3t」など)
    最大積載量3t以上の貨物自動車がすべて対象になります。大阪市の規制例では、準中型・中型の貨物自動車まで通行禁止に含まれています。「大型ではないから大丈夫」という判断が通用しない典型例です。
  • 時間帯・曜日の指定(「8-20」「日・休日を除く」など)
    時間によって通れる道・通れない道が変わります。東京都の環七・環八周辺のように、時間帯を限った大型貨物等の通行禁止が広い範囲で実施されている地域もあります。昼間に走れたルートが夜間便では使えない、というケースに注意してください。

出典:大阪市「大型車等通行禁止規制対象車両について」

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3. 「通行禁止道路通行許可」「特殊車両通行許可」「制限外積載許可」は別の制度

大型車の運行に関わる主な許可は3種類あり、根拠法も申請先も異なります。どれか一つを取得していても、ほかの許可の代わりにはなりません。

項目通行禁止道路通行許可特殊車両通行許可制限外積載許可
必要になる場面大型車通行禁止の標識がある道路を通る車両の寸法・重量が一般的制限値を超える積載物の長さ・幅・高さが積載制限を超える
根拠法道路交通法第8条第2項道路法第47条の2道路交通法第57条第3項
申請先規制区間を管轄する警察署道路管理者(国・都道府県・市町村など)出発地を管轄する警察署
手数料無料有料(経路数に応じて)無料
無許可の場合通行禁止違反(反則金・違反点数)罰金。法人にも科される両罰規定あり積載制限違反

たとえば、一般的制限値を超えるトレーラが大型貨物通行禁止の道路沿いにある工場へ入る場合、両方の許可が必要になることがあります。さらに長尺物や幅の広い貨物を積む場合は、制限外積載許可も加わります。必要な許可の判断を誤ると、一部だけ取得して違反になるおそれがあります。制限外積載許可の詳しい要件と申請方法は、別の記事で解説します。

出典:首都高速道路「違反車両に対する罰則等」、長野県警「制限外積載等許可申請」

4. 通行禁止道路通行許可の申請実務

通行禁止の道路も、やむを得ない理由があれば警察署長の許可を得て通行できます。
許可の対象になる主な例は、規制区域内の車庫への出入りや、道路沿いの現場・取引先への貨物の集配です。具体的な基準は都道府県の細則で定められています。

申請先と必要書類


申請先は、規制区間を管轄する警察署の交通課窓口です。区間が複数の警察署にまたがる場合は、それぞれに申請します。
主な提出書類は次のとおりで、各2部が一般的です。

  • 通行禁止道路通行許可申請書
  • 通行経路を示した地図(どこから入り、どう通るか)
  • 車検証の写し
  • やむを得ない理由を示す書類(契約書、工事の発注書など)

手数料はかかりません。

許可までの日数は都道府県で異なる

申請書を提出してから、許可までは都道府県により異なります。
目安は、即日~5日間(営業日換算)と幅広く、工期や納期が決まっている場合は余裕を持って申請してください。許可の期間や条件(時間帯、誘導員の配置など)も管轄によって異なるため、事前に窓口で確認するのが確実です。

5. 違反したときのリスクは運転者だけにとどまらない

無許可で通行禁止の道路を走行すると、運転者は「通行禁止違反」として反則金と違反点数(2点)の対象になります。
大型車の反則金は9,000円です
(反則金の区分でいう「大型車」には、中型・準中型・大型特殊自動車も含まれます)。
許可を得ていても、時間帯などの許可条件を守らなければ「通行許可条件違反」という別の違反になり、
大型車の反則金は6,000円です。
また許可証は車両に備え付ける必要があるため、ドライバーが携行していないと、許可があっても取締りの場で問題になります。

会社にとってのリスクはさらに大きくなります。

  • 生活道路での事故や住民からの苦情による、荷主・取引先からの信用低下
  • 違反点数の累積によるドライバーの免許停止と、配車計画への影響
  • 安全運転管理者・運行管理者としての指導体制が問われる

通行禁止の道路は住宅地や通学路に多く設定されています。万一事故が起きれば、反則金の額では済まない損害になりかねません。

出典:警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」(2026年4月1日更新)

6. 違反を防ぐ社内管理体制チェックリスト

通行規制の遵守は、ドライバー任せにせず会社の仕組みで担保します。自社の体制を次の項目で確認してみてください。

車両の管理

  • 全車両を車検証の数値で「大型」「特定中型」「中型以下」に区分した一覧がある
  • 車両の入替・増トン時に一覧を更新している

ルートの管理

  • 定期ルートの規制を、国土交通省の通行規制情報提供システムや県警の情報で確認している
  • 時間帯規制を考慮し、便ごとにルートを指定している
  • 一般向けのナビをそのまま使わず、大型車設定や社内ルート図と照合している

許可の管理

  • 取得済みの許可を台帳で管理し、期限の1か月前に更新手続きを始めている
  • 運行前点呼で、許可証の備え付けを確認している

教育

  • 新人ドライバーに補助標識を含めた規制標識の研修を行っている
  • 違反やヒヤリハットの事例を社内で共有している

【無料DL】特殊車両通行許可 申請書類チェックリスト

まとめ:判定・許可・管理を会社の仕組みに

大型車通行禁止への対応は、次の3つに整理できます。

  1. 車検証の数値で、自社車両が規制対象かを判定する(特定中型と補助標識に注意)
  2. 必要な許可が「通行禁止道路通行許可」「特殊車両通行許可」「制限外積載許可」のどれなのか、または全てかを見極める
  3. 許可の期限と許可証の備え付けを、台帳と点呼で管理する

BIZARQ社会保険労務士法人・行政書士法人では、特殊車両通行許可の申請代行を行っています。車両の寸法・重量が一般的制限値を超える場合の経路の検討から申請書類の作成まで、特殊車両通行許可に関するご相談をお受けしています。初回相談は無料、全国のお客様に対応しています。

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。規制内容や申請手続きは都道府県・警察署によって異なるため、最新情報は管轄の警察署・道路管理者にご確認ください。なお、通行禁止規制、通行禁止道路通行許可、制限外積載許可に関するお問い合わせは、管轄の警察署へお願いいたします。

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