特殊車両通行確認制度とは?許可制度との違いやメリットを解説

特車通行確認制度とは?許可制度との違いや申請方法を解説
物流業界の生産性向上を目的にスタートした「特車通行確認制度」。従来の「特殊車両通行許可制度」との違いが分からず、戸惑っている担当者の方も多いのではないでしょうか。 本記事では、特車通行確認制度の概要から利用するメリット、具体的な申請の流れまで初心者の方にも分かりやすく解説します。
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1. 特車通行確認制度とは?(制度の概要)
特車通行確認制度とは、2022年(令和4年)4月から本格運用が開始された特殊車両の通行に関する新しい制度です。従来からの「通行許可制度」は、審査に数週間〜数ヶ月かかることがあり、物流のスピード化を阻む要因となっていました。これを解消するため、デジタル化によって「即時回答」を実現したのが本制度です。
最大の特徴は、「通行できるまでが早い」点です。
2. 「許可制度」との決定的な3つの違い
「特殊車両通行許可制度」と「特殊車両通行確認制度」は何が違うのか、比較表でまとめました。

画像引用:国土交通省「特車通行確認制度」より
制度
特殊車両通行許可制度は読んで字のごとく「許可制度」であるため申請書を行政機関が審査して、通行の可否を判断し、許可が出るまで時間がかかってしまいます。
確認制度は、「システム上の算定で通行が可能か確認する」制度です。確認ができた経路のみ通行が認められます。したがってそもそもシステム上の算定で通行の可否が判断できない場合は、確認制度の対象外となり従来の許可制度にて申請が必要になります。
「特殊車両通行確認制度」は「特殊車両通行許可制度」に代わるものではなく2つの制度をケースによって使い分けをするものであるというところを押さえておきましょう。
経路の作成
許可制度では、デジタル地図・交差点番号入力で申請者自ら交差点をひとつずつ選択しながら経路を作成していくため経路作成に時間がかかります。 確認制度では、出発地と目的地の交差点を指定すれば経路は自動作成してくれるため時間が短縮できます。
検索方法は2つあります。
- 2拠点双方向2経路検索
2地点間の主要経路および代替経路(渡り線・双方向)を同時に検索します。 - 都道府県検索
都道府県内の主要道路全てを一発して検索・確認します。

画像引用:国土交通省「特車通行確認制度」より
手数料・有効期限・支払方法
- 手数料
許可制度は、申請手数料(トラクタ・トラックの台数×経路数×200円)のみ費用がかかります。
確認制度では、車両登録手数料と申請手数料がかかります。 申請手数料は上記の検索方法により異なります。 - 有効期限
許可制度は、2年(超寸法・超重量は1年)、延長できる場合には4年(2年)ですが、確認制度では、一律1年です。
下記に違いの一覧表を掲載しますが、確認制度は早い分少々コスト面が高いのが難点です。
| 制度 | 通行許可制度 | 通行確認制度 |
| 車両登録手数料 | 不要 申請時に車両諸元を入力 | 5,000円(5年更新) 車両の事前登録が必要※1 |
| 申請手数料※2 | 1台1経路につき200円 (一部160円) | 2拠点双方向2経路検索:1件につき600円 |
| 都道府県検索の場合: 確認1 件につき400 円 (都道府県あたり) | ||
| 追加経路検索の場合 確認1件につき100 円 (経路延長10㎞まで) ◎延長が10 ㎞を超える場合、 10 ㎞ごとに100 円 | ||
| 有効期限 | 2年 ※超寸法・超重量は1年 ※ETC2.0車載器・Gマーク所得営業所所属・過去2年に違反歴なしの条件に合致する場合は4年 | 一律1年 |
| 支払方法 | 申請後、納付書が申請者住所に届き、郵便局またはPay-easyで支払 | 基本オンライン(クレジット)決済 5,001円以上になる場合は納付書(pay-easy)利用も可能 |
※1:セミトレーラ、フルトレーラの車両登録手数料は不要です。
※2:通行可能経路が重要物流道路の許可不要区間である場合かつ車両が許可不要区間の制度対象車両の場合は、手数料は発生しません。
▼許可申請での許可延長の方法はこちら▼

特車通行確認制度を利用するメリット・デメリット
メリット
- 待機時間の削減(即時確認)
従来の許可待ちによる業務停滞がなくなります。急な配送依頼にも柔軟に対応可能です。 - 経路選択の自由度向上
許可制度では申請した経路のみ通行可能か審査の対象でしたが、確認制度では渡り線や代替経路など複数の経路が通行可能か一気に確認ができるため事故や渋滞時に、現場の判断で迂回ルートを選択できるのは大きな強みです。 - 経路入力の時間短縮
許可制度では出発地から目的地まで線をつないでいくように経路作成をしたため大変時間がかかりましたが、確認制度では出発地、目的地、経由地を入れるだけで簡単に検索することが可能です。
デメリット
- 経路の柔軟性に欠ける
通行確認制度において確認対象となる経路は(大型車誘導区間+重要物流道路)のみです。希望ルートで左記道路に含まれない市道・県道は経路追加(有料)が必要となります。
またシステムに登録されていない未収録道路は対象外となります。未収録道路は港湾等の物流拠点にアクセスする道路に多く、出発地点と目的地が繋がらない!というケースも多くあるようです。その場合は、許可制度を利用する必要があります。 - コストがかかる
許可制度ではかからなかった車両登録手数料がかかり、申請手数料も許可制度に比べると割高になるケースが多いです。また、有効期限も許可制度2年対し確認制度は1年のため更新頻度も高くコストが高くなります。
制度を利用するための条件
この制度を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- ETC2.0車載器の搭載:走行軌跡を把握するために必須です。
- 車両の事前登録:あらかじめシステムのデータベースに車両情報を登録します。登録手数料5,000円
- 大型車誘導区間の走行:全国の主要な幹線道路が対象です。
申請から走行までの流れ(4ステップ)
- 利用者登録
まず「特殊車両通行許可・回答システム」にログインするためのIDを取得します。
特車ポータルサイト:特車ポータルサイト

取得済みの場合、登録が完了できたら、「特殊車両通行確認制度」の企業コード登録をします。

- 車両登録 車検証の情報や、ETC2.0の管理番号などを入力し、車両をシステムに登録します。
- 通行確認の実施 走行前に、出発地と目的地を入力し、システム上で通行可能かを確認します。
- 確認証の携帯と走行 回答された「通行確認証」を印刷、またはタブレット等で携行して走行します。
注意!全ての道が通れるわけではない
特車通行確認制度は非常に便利ですが、経路に未収録道路が含まれる場合、算定により道路管理者による協議が必要な個別審査の対象となる場合には利用することができません。別途、許可制度での申請が必要となります。 自社の配送ルートが大型車誘導区間・重要物流道路に収まっているか、事前にシミュレーションを行うことが重要です。
まとめ
特車通行確認制度は、即時通行可能なため物流DXを推進する画期的な仕組みです。しかし、港湾等の物流拠点にアクセスする道路は、特殊車両通行確認制度の前提となる道路情報のシステムには未収録の道路が多いです。情報収録は年1回→年4回と多頻度に実施されているようですが、肌感覚ではまだまだ収録件数が足りていないため、確認制度と許可制度では許可制度のほうがコストが安く使いやすい印象です。
「急ぎの案件はスピード重視の確認制度」
「コストを抑えたい、または未収録道路を通る場合は許可制度」といったように、自社の配送ルートや状況に合わせて賢く使い分けるのが最適です。
